それを受けとめられる力をどうつけていくか

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不登校の相談に行くと、
どこに行ってもこう言われる。

お母さんさえ笑顔でいれば大丈夫です、と。

子どもの不登校を受け入れよう、見守ろう。

そう思い、仕事を辞め必死に頑張ってきた。

それなのに夫は全部母親任せ。
肝心の子どもはずっと家で
ゴロゴロ・ダラダラしているだけ。

何も変わらない毎日。笑顔はもう限界!

なぜ母親だけがいつも笑顔で
元気でいなくちゃいけないのか?
怒りさえ感じる今日この頃――。

そんな生々しい肉声と、対する専門家の
的確なアドバイスが詰まった1冊だった。

びーんずネットのセミナーゲストに
お迎えしたこともある、
さくら国際高等学校学園長の
荒井裕司先生編著の新刊
『不登校の歩き方』を読んだ。

荒井先生たちがこれまで30年近く、
114回開催した保護者向けの
不登校セミナーの内容をぎゅっと
1冊にまとめたものだ。

学校苦手なお子さんをお持ちの保護者には
ぜひ目を通してほしいと思った。
なんせ超具体的でわかりやすく、
読みやすいのに深い内容でもあるからだ。

紹介したい箇所が多すぎて
真剣に困ってしまっているのだけど、
「エイヤ!」で今日は1つだけ抜粋する。

進路について。

親としては支援体制の整った
通信制高校がいいと思っている。

でも本人は自分を不登校とは認めず、
全日制普通科を希望している。

新学期や進級のたびに再登校するけど、
いつも1ヶ月も続かず不登校を繰り返す。
正直、親としては頑張りすぎて
つぶれてしまわないかが不安だ。

また不登校にならないためには
どうしたらいいでしょうか――?

第4章「「入れる」より「通える」
を大事にした進路選択」での
中3男子のお母さんからの質問だ。

回答の全文はぜひ実際に
お読みいただくとして。

僕にはこのくだりが物凄く響いた。

親が「もう二度と不登校になってほしくない」と思うのは当然です。しかし、不登校の問題を考えるとき、「もう絶対に不登校にならないようにしよう」を目標にすることは現実的ではありません。なぜなら、人は生きているかぎり必ずつらいこと、うまくいかないことにぶつかるからです。そのとき「不登校にならないように」ではなく、それを受けとめられる力をどうつけていくか。それを目標にしてみたらどうでしょうか。

また不登校にならないように、ではなく。
受けとめられる力をどうつけていくか。

いや、本当にその通りだと思いませんか?

そしてこれは不登校に限らずで。

人生における課題というものは
「受けとめる力」
をどうつけていくかなんじゃないかなと。

と、なんか内容の紹介というよりも
自分の感動優先の紹介になっちゃったな。

個人的にはやっぱり第1章の
「このままでいいと思っている子は
ひとりもいない」
での子どもたちの複雑な心境と
肉声がとても印象に残った。

この辺りの機微は親にはわからない。
だからこそ、やっぱり知る必要がある。

荒井先生の前著の
「大丈夫!不登校。」と併せて
不登校生の親・必読の一冊です。

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まず親が幸せになる|びーんずネット

不登校のセミナーやカウンセリング、インタビュー事例集をお届けする活動を夫婦でしています。ぜひご覧ください。




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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。