自分に矢印が向いている

自分に矢印が向いている
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日本産業カウンセラー協会の機関誌
「JAICO」を読んでいる人は、
たぶんそんなに多くないと思う。

うちの奥さんが会員だから届くんだろう。
机の上にポイと置いてあったりする。

10月号の特集は「人生100年を生きる」。
『定年後』の著者・楠木新さんへの
インタビューを読んだ。

ここに人生のヒントがある

楠木さんは会社員として50歳を迎えた頃、
体調を崩して休職を経験。

部長職を解かれ、仕事量も減った。
定時退社する毎日、仕事以外の時間に
何をしていいのかわからなくなる。

そういう中で興味を持ったのが、
サラリーマンを辞めて
職人や農業者になった人たちのことだ。

収入は減り、家族の扶養に悩みながらも、
彼らは元気で生き生きして見えたという。

ここに人生のヒントがある。

そう感じた楠木さんは
彼らに直接会って話を聞き続けた。
そして音声データを、文字に起こす。

その数150人。

もちろん一銭にもならない。
でもその経験が今、物書きとして
生きていく土台を作ったという。

なんで自分が…

その楠木さんが取材を続ける中でひとつ
気づいたことがある。

自分の病気や、震災での罹災、
家族問題や勤務先の合併のことなどを
語る人が多かった、ということだ。

なんで自分がこんな目にあうんだ?
なにも悪いことなんかしてないのに、と。

一方で――。

「なんで自分が」と考えることで、そもそも自分が何者なのかを知るということもあります。その結果、自分の“個性”をつかんでいくイメージがあります。そういった時間は自分に矢印が向いています。会社でうまくいっているときには、自分について考えようとは思わないので。

この一言が、ちょっと意外で、
でも腑に落ちた。

自分に矢印が向いている

「なんで自分が…」

そう考えるのはよくない、と思っていた。

辛いのは自分だけじゃないし、
なんでなんで、と考えても仕方がない。
もっと前向きに
物事を捉えるほうが賢明だろう、と。

でも「なんで自分が」と考える時間は
自分に矢印が向いている。
うまくいっているときは、
自分について考えようとはしないから。

この発想は、僕には新しかった。

自分を持っていく場所

最後に楠木さんによる、
「定年後を充実させるための6ヶ条」
も良かったので紹介。

第一条 焦らずに急ぐ
第二条 趣味の範囲にとどめない
第三条 身銭を切る
第四条 個人事業主と接触する
第五条 相手のニーズに合わせる
第六条 自分を持っていく場所を探す

特に第六条、自分を持っていく場所を探す。
そのココロは、、、

自分を変えるより、ありのままの自分を、どこに持っていけば役立つかを検討する方がうまくいく

とのこと。
確かにそうかも、と思いませんか?

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。