日曜夕方に放送されているラジオドラマ、
「あ、安部礼司 BEYOND THE AVERAGE」。
先日のオンエアで紹介されていて
気になったので、買って読んで見た。
差別を考える社会学者が「ずるい言葉」に言いくるめられないための手がかりを伝授!
と帯にある。
なんだか知らないけど
うまくやりこめられてしまった感じがする。
イラっとするし、モヤモヤする。
そんな29例の会話シーンと、
そこから抜け出すための考え方や
切り返し方が書かれている。
とっても読み応えのある本だった。
「どちらの側にも問題があるんじゃないの?」
「もっと早く言ってくれればよかったのに」
「そんな言い方じゃ聞き入れてもらえないよ」
「いちいち取り合っていたらそいつと同じレベルになっちゃうよ」
「悪気はないんだから許してあげなよ」
「言われた本人が傷ついてないんだからいいんじゃない?」
「これは差別ではなく区別」
こういう「ずるい言葉」の何が問題なのか?
巧妙さの裏に隠れた本当の意図は何か?
ズバッと解説してくれていて良かった。
良かったと同時に、、、
反省や後悔も結構あった。
似たようなこと、言っちゃったこともある。
読んでいて痛い部分も多かった。
色々書きたいことはあるのだけど、
親の立場で一番ありがちだと思ったのは
「あなたのためを思って言っているんだよ」
という、この言葉だった。
「あなたのためを思って」
よくある言い方だ。
なぜこんなことをわざわざ言うのか?
それはつまるところ、、、
本当に相手のためになるか説明しない、あるいはできないからこそ「あなたのため」だとわざわざ言うことで、足りない「根拠」のうめ合わせをしている、と。つまり、「こんなにあなたのことを思っている私の判断が、まちがっているわけはない」という心理が、「あなたのためを思って言っているんだよ」という言葉の後ろにかくれている可能性があるのです。これはやっかいです。「あなたのため」だからこそ、「あなた」に納得してもらう必要はない、ということになってしまいますからね。
根拠を説明できないのに
他人の行動を縛ろうとするとき――。
「あなたのため」が登場する。
これは、確かにそうかもなあ、と思った。
逆に。
「あなたのため」
で押し切られそうになったら
そのときは、どうすればいいのか?
どうして私のためになるのか説明してほしい
と切り返しましょう、と。
仮に納得できないにしても、
そこには対話の余地が生まれるから――。
もろもろ、一段も二段も深く
考えさせられる一冊だった。
よろしければ是非。
今日も良い1日を。
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