いや、なっかなかに痛快な本だった。
ゲームをやめさせてもなぜ子どもは勉強しないのか?
特に「ゲーム」はね、学校苦手な子を持つ
すべての親が感じる漠然とした恐怖だと思う。
ゲーム依存症。昼夜逆転。
ゲームで暴言ばかり吐く。
スマホ脳。発育に深刻な悪影響。
あげく勉強はずっとゼロのまま。
そしてお先は真っ暗。
親はつい、そう思いがちだ。
でもご自身が中学時代は毎日10時間以上、
ゲームをやり込んで育ってきたという、
著者の佐伯和也さんはこう言い切る。
結論から言えば、ゲームをやめさせることができても、子どもが自分から勉強し始めることは100%ありません。
「た、た、確かに……」
でも、それはなぜなのか?
じゃあ、具体的にどうすればいいのか?
それがとてもわかりやすく
丁寧に書かれた1冊だった。
なかなかにね、ここまで
「ゲームと勉強」
に絞って書かれてる本って他にないと思う。
子どもたちは、勉強が嫌いなわけではなく、勉強を“強制される”のが嫌
子どもの将来の選択肢を増やしてくれるのは、勉強や、学歴などではなくて、「自分にはできる」「勉強すればさらに力がつく」という『自己効力感』の方です。
勉強をしない理由は、「ゲームをしているから」ではなくて、「勉強が好きじゃないから」「勉強のおもしろさを知らないから」「自分には勉強ができないと思い込んでいるから」です。
どうですか?
ウッとなりますよね?
そう、これって結局のところ――。
親自身の本当の不安の正体に
向き合うことなく、なんとなくで
ゲームを悪者にしているだけなんだよね。
かつての自分もそうだったなあと
読みながら思い返すことが多かった。
大切なのは「子どもを助けること」ではなく、「子どもが助けを求めたら、子どもを助けられる存在である」ことです。
などなど。
「クソバイス」しないことを始めとして、
親としてどう関わればいいのかが非常に
具体的に書かれているのも良かった。
ゲームと勉強。
そこに引っかかる人にはぜひ読んでほしい。
ただただゲームを悪者にしていて
良いことなんて一つもない。
それが本当に腑に落ちます。
改めて振り返ってみてください。
ゲームを制限することによって、ゲームをやる時間が減ったり、勉強をする時間が増えたりしたでしょうか。子どもの不登校の状態が改善したでしょうか。以前よりも子どもとの関係が良くなったでしょうか。子どもの笑顔は増えたでしょうか。そして、親の笑顔は増えたでしょうか。
もし、これらの問いに対する答えが「はい」であれば、この本をこれ以上読み進める必要はありません。
おそらく、この本を手に取り読んでくれているあなたには、これらの問いに対して「いいえ」と答えるのではないでしょうか。
「親子の笑顔が増える」
まさに、そのためにどうすればいいのか。
それがよくわかります。
今日も良い1日を。
P.S.
特に第3章以降の「親としてどう関わっていけばいいのか」に関しては、トマス・ゴードンの「親業」の関わり方にとても近いものを個人的には感じたかな。
この秋、インストラクターであるうちの奥さんが京都と川崎で親業訓練一般講座を開講します。
実は「親業」ってなんのかんの、マジで最強のメソッドだと思うんだよな。
あなたもよろしければぜひ。

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