今にして思えば

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偉そうなことを書きます。

不登校でも大丈夫。
自由に生きていい。

そう口に出して言うのは簡単だ。

でも実践するのは簡単じゃない。

前半の部分は、僕にはどうにもできない。

でも後半の部分は、まさに、今
自分が実践しているところだ。

いや、本当に簡単じゃない。

ボーナスやら賃上げのニュースを見るたび、
本当に羨ましいなあと思う。

でももう満員電車や営業会議には戻れない。
戻りたいとも一切思わない。

今だからわかる。
俺は雇われて働くのが嫌いなのだ。

ただ自分で言うのもナンだけど――。

器用なんだよね。擬態するのが。

やってやれないことはない。
そうやって40年以上生きてきた。

今にして思えば、なのだけど。

完全に息子の不登校が転機だった。

「学校に行かない生き方」

それを彼は選んだ。弱冠8歳にして。

固い決意でそれを全身で示した。
ぼくは絶対に学校は嫌だ、と。

何年も経ってそれは
コダマのように自分に響いてきた。

45歳だった頃、心が決壊する寸前だった。

そういう危険察知センサーだけは、
自分で言うのもナンだけど割と優れている。

だからまったく後先考えずに会社を辞めた。

カッコ良くいえば、自分を守るために。

ただ自分の年齢を考えれば
再就職という選択肢は限りなく厳しいことも
転職を繰り返してきた身にはわかっていた。

もう後には戻れない。

「会社に雇われない生き方」

それは一部の特殊な才能を持った、
恵まれた人たちだけのものだと思っていた。

自分には絶対無理だ。
ずっとそう思い込んできた。

勝手に信じ込んできた。

でも期せずして自分も
そういう立場になった。

「そういう立場になっちゃった」

というのが実感としては正しい。

なっちゃったものは、なっちゃったもので
もうしょうがない。
だからと言って何もしない訳にもいかない。
生きて食べていかなくちゃいけない。

やるしかなかったから、やり始めた。
それがびーんずネットの活動だ。

もちろん今も、全力でもがき続けている。
こういうことを書くと心配する人がいるから
アレだけど、正直経済的にはラクじゃない。

でも楽しい。

「自由に生きている」

その実感だけは、持てている。
これは、何物にも変え難い。

そういう大人が、
この国にはもっと増えたらいいなと思う。

別に僕みたいに勢い余って
会社を辞める必要まではない。

でも

「自由に生きている」

その実感が持てているか、どうか。

もっと簡単に言うと、

我慢してやらされているのか?
それとも自分で選んでやっているのか?

核心はここなんだと思う。

え?
ずいぶん偉そうなこと言うじゃないかって?

だから最初に書いたじゃないですか。
偉そうなことを書きますよって。

子どもにあれこれ言う前に。

大人が自由に楽しく生きましょ。
その背中ちゃんと見せましょ。

うーん、マンダム。
なんて偉そうなんだ!笑

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。