いや、これは絶対読むべき本だと思った。
『大丈夫!不登校。』
70人の先輩たちからのエール
「登校拒否の子どもたちの進路を考える
研究会」代表で、さくら国際高等学校学園長
荒井裕司先生による編著の1冊だ。
どんな内容か?
登進研がこれまで28年間
開いてきたセミナーの中で、
「体験者の話を聞く会」
に登壇した延べ70余人の子どもたちと、
その保護者がいる。
彼らの言葉がまずどんどん紹介される。
その言葉が出た背景やアドバイスを
「カウンセラーからちょっとひと言」
のコラムが補足・解説する。
あわせて「彼ら彼女らの現在地」という
当時を振り返っての当事者の文章がある。
この3つが組み合わさって構成されていて、
とても多角的に深く
不登校が理解できる本だった。
chapter1●行かないんじゃない、行けないんだ!
chapter2●ゲーム、ネット、昼夜逆転…子どものここがわからない
chapter3●親と子の葛藤を経て見えてくるもの
chapter4●ときどきお母さんを休もう
chapter5●そのとき心が動いた
chapter6●大丈夫!不登校
こういう章立てだ。
リアルに悩んだ70人以上の声を読むと、
ズシッと来るものがあるし、同時に
読み終わると心底「大丈夫!不登校。」
という心持ちにもなれる。
印象に残った言葉や話は数多かれど――。
僕は親の立場なので、一番印象に残ったのは
「肩の線」のエピソードと、
「待つ」ということの意味、の2つだった。
「行け行けオーラ」は確実に体から出る、
というのがすごく印象的な
「肩の線」のエピソードはまあ、
実際に読んでいただくとして。
「待つ」ということの意味について、
「カウンセラーからのひと言」
から今村泰洋さんの言葉を引用する。
親御さんは、よくカウンセラーなどから、「もう少し待ってあげましょう」と言われることがあると思いますが、では、なぜ待たなければいかないのか。ひと言でいえば、親は子どもの人生の代わりをやってあげることはできないからです。親が子どもの代わりに学校に行って勉強したり、将来、何をやりたいか考えたり、さらには就職したり、恋をして結婚して子どもをつくったり……。そういうことを親が代わりにやってあげることは絶対にできません。
だから、これから先、自分の人生に何が待っているかわからないけど、ぜんぶ自分でやっていくしかないんだと子ども自身が覚悟を決めるまで、親は待つしかないんです。
「待つ」ということの意味は、学校に行けるまで待つとか、本人が動き出すまで待つというよりも、子ども自身の中で自分の人生を自分で背負う覚悟ができるまで待つ、ということなんだと私は思います。
本人が動き出すまで待つんじゃない。
子ども自身の中で自分の人生を
自分で背負う覚悟ができるまで待つ。
って、なかなかに
ガツンと来るものがありませんか?
不登校を経験して、くぐり抜けてきた
親と子とのリアルな生の声。
ぜひ読んでみてほしい1冊です。
今日も良い1日を。
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