何がきっかけでしたか?

 

 

「何がきっかけでしたか?」

これは不登校の子を持つ親の
最も知りたいトピックの一つだと思う。

どんな出来事があって
部屋から出るようになったのか?

何の働きかけが効いて
進路に気持ちが向くようになったのか?

誰のどんな言葉が響いて
本人が具体的に動き出したのか?

などなど。

そういう話は実際によく出る。

そして聞けば聞くほど様々だと思う。

でもね、ちょっとだけ、
ちょっとだけピリ辛なことを言うと、、、

そういうきっかけを親が探してるうちは、
正直、子どもは動かないと思うんだよね。

まだかまだかオーラ、というか、
心のどこかで「待っている」わけだから。

そうではなく――。

大切なのは子どもが
幸せに人生を生きること。

親にできるのはその応援だけ。

そんなふうに、本当に腑に落ちて
自分が思えるようになったこと。

僕に関して言えば、思い返せば
それが「きっかけ」だったと思う。

つまり、ちょっとやそっとのことでは
動じなくなった。

デモクラティックスクール辞める?

「ああ、そうなんだ」

部屋にこもってゲーム三昧?

「なかなかの集中力だよね」

もう1ヶ月、家から一歩も出てない?

「いいんじゃない、別に」

進路決まってないけど、どうするの?

「自分で決めるのが一番だと思うよ」

徐々にだけど、そんなふうになれてきた。

別に頼りない親でもいい。
人からどう見られようが構わない。

「子どもの状態」がどうかよりも、
まず自分が自分の人生をきっちり生きる。

そう決めたんだよね。

「何がきっかけでしたか?」

この質問、僕に関して言えば、
親として自分が心底、腹を括れたことだ。

心底腹を括ってしまえば、
それ以上の心配は特に湧かないし。

「どん底に落ちたら掘れ!」

というのはさすがのラテン系、
イタリア人のことわざだけど、
きっとそれくらい逞しくなれると
何より人生ラクだよね。

まあ、言うほど簡単じゃないけど。

とにかく繰り返し言いたいのは、

「本当の目的は何か?」

というところから常に
ブレずにいることだと思う。

もちろん、受験は心配だ。
でも受験しなければ死ぬわけじゃない。

もちろん、進路は大切だ。
でもそれで人生全部決まるわけじゃない。

本当に大切なのは、なんなのか?
何を一番の目的に置くべきなのか?

本当に大切なのは子どもが
幸せに人生を生きること。

親にできるのはその応援だけ。

やっぱりそう思っちょります。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。