求められてもらえるありがたさを噛み締める

 

 

昨日の余熱でもう少し。

今日はちょっと長くなります。

田中茂樹先生の新刊
『子どもを見守ること』の

「結果ばかりにこだわる子ども」
のエピソードを紹介したい。

個人的にはこれが一番、
「見守る」がしっくりきたのでね。

行きます。

小学生の息子は野球クラブに入っている。

大会で決勝戦まで進んだものの、
惜しくも優勝は逃した。

チームはみな敗戦直後は涙にくれた。
でもそのあとは笑顔になって
写真にもいい表情で写っていた。

ところが――。

家に帰ってきた息子が泣き出した。

「決勝で負けたのは自分のせいだ」と。

別に息子がミスしたわけでもない。
特段打てなかったわけでもない。

よくがんばってたしいいプレーをしていた。
そう伝えてもまったく伝わる感じはしない。

自分がもっと頑張れば優勝できた。
優勝できなかったからゼロだ、と。

いや、物事は結果だけじゃない。
仲間と一緒に頑張ること。
楽しむことだってスポーツの要素だ。

どう説明したら結果ばかりにこだわる
この子の性格を変えられるのか?

このままでは何をやっても楽しめない。
結果ばかり求めて苦しむのではと不安だ。

という状況。

確かに親としてはこう言いたい。

そんなふうに考えなくていい。
よくがんばったじゃない。
もう泣かなくていいよ、と。

そうですよね?

この相談に対する田中先生の回答がまさに
「見守る」をズバッと表していて良かった。

ポイントは、かなりはっきりしていると思います。

――こういう場合、どう説明したら、結果ばかりにこだわる子どもの性格を変えられるでしょうか。

結果にこだわるのは息子さんであって、親であるあなたではないですね。仲間と一緒にがんばったり楽しんだりするのも、息子さんであって、あなたではない。でも、目の前で子どもが悲しんでいるのは、親にとってもつらいことです。早くなんとかしたい、この状況から逃れたいと思うのは、ある意味当然です。子どもの考え方を変えたいとかも、そこから脱出する方法のひとつですね。

どうですか?
あっ!と目が覚めますよね?

ただ一番の肝はここからです。

でも、その状況で、あなたがまずやるべきことは、がんばったり、楽しんだり、失敗したり、悲しんだり、絶望したりする子どもを受け入れることだと思います。現実の世界ですから、当然、そういうことはこの先もいくらでも起こってきます。いろいろな体験と、それにともなう感情を味わっている子どもの、そばにいてやること(といっても、ずっとべたっと一緒にいるのではなく、気持ちを寄せるということ。言わずもがなですが)だと思います。

そういう試練に出会って成長していく子どもを、見守ることですね。子どものそばで、幸せなときも、そうでないときも、見守り支える。子どもに何をさせようか、なにをさせないようにしようか、ではなく、自分がどうあるべきか、それを考えることだと思います。

試練に出会って成長していく子ども。
そのそばで心を寄せて一緒にいる。

子どもに何をさせようか。
何をさせないようにしようか。

そうじゃない。

親である自分はどうあるべきか?
それをこそ、考える。

本当にね。

子どもに何をさせようか。
親ってそればかり考えてしまう。

結果にこだわる子どもの性格。
それをどうしたら変えられるだろうかと。

それは親である自分が辛いから。
泣いている子どもを見るのが悲しいから。

そう俯瞰して、自分を見られるかどうか。

ね。

幸せなときも、そうでないときも。

そう、まさに試練に出会っているときも!

あーだこーだ言わない。
でもただ心を寄せて一緒にその場にいる。

もし親がそう強くあれたら――。

子どもはきっと立ち直ることができる。

そう思えるようになりませんか?

最後にココも良かった。

「自分のせいで負けた!」と声に出しているということは、親に聞いてもらいたいという気持ちもあるのでしょう。かまってほしくなければ、黙って自分の部屋で声を出さずに泣くでしょう。親の近くで話して、泣いているということは、親の助けを、親からの温もりや支えを、子どもは欲しいと思っているのでしょう。求められてもらえるありがたさを噛み締めながら、私であればそばにいたいと思います。そんなにやりがいのある時期、場面はそうそうないかもしれないので、1時間や2時間は覚悟して、そこにいると思います。

親が覚悟してしまえば、意外と20分くらいで、子どものほうはお腹がすいたりして気分が変わるかもしれませんね。

求められてもらえるありがたさ。

それを噛み締める。
これはやりがいのある場面なんだと。

そう思える親に、私はなりたい!
子どもを思う通りに
コントロールする親ではなく。

それこそが本当の強さじゃないかと。

改めてそう思いました。

あなたはいかがですか?

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在20歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。