10年前の自分たちに届け

 

 

昨夜、無事入稿した。

僕ら夫婦がつくっている
不登校インタビュー事例集
『雲の向こうはいつも青空』。

節目の第10号のことだ。

思い返せば10年前の季節は今頃。

小学校を「辞めた」9歳の息子が、
新しいスクールに通い出した。

まあ、世間一般で言う
「レール」とは違う道だ。

高校にも大学にも接続していない、
通る人も圧倒的に少ない細い細い道。

それでも彼の新しい
「居場所」になってくれれば……。

家で「どうせ僕なんて」と
暗く一人ひきこもっているよりは
ずっとマシなはずだから……。

祈るような思いでいた。

もちろん、物事そんな単純な
ハッピーエンドで終わるわけがない。

その後も何度も、山あり、谷あり、
不登校あり、ひきこもりありで。

ジェットコースターみたいな日々だった。

あれから10年。

気づけば自分も会社員を辞めて、
夫婦でこんな活動をしている。

思い返せば10年前の季節は今頃。

一番読みたかったのは、こんな本だった。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。子どもたちに寄り添う人。
独自の学びを実践した人。

市井の人の、普通の不登校の体験談。

そう、ポイントは著名な人ではない、
ごく身近な市井の人の話であることだ。

それこそが、一番読みたかった。

何よりも知りたかったのは
きれいに飾られた成功物語ではない、
不登校の「その先のリアル」だった。

でもそんな本はなかった。

残念ながら今も、ない。

だから今、自分たちでそれを作っている。

やっぱりね、誰に届けたいかと言えば、
まず10年前の自分たちに一番、届けたい。

学校に行かないという、子どもの選択。
それはできる限り尊重したい。

「でも、本当にこのままで大丈夫なの?」
「ただ見守っているだけで本当にいいの?」

親として揺れる思いを抱えて日々、
ハラハラと過ごしていた
かつての自分たちに届けたい。

「本当にこのままで大丈夫なの?」

それは、誰にも分からない。

でも先を行く人のリアルな実例の中には、
たくさんのヒントや安心のタネがあるハズ。

何より今、自分たちがつくりながら
それをひしひしと感じている。

きっと大丈夫、なんじゃないのかなと。

少し心が緩む感じというか。

そんなこんなを思う、入稿翌日の朝。

ふぅ。

入稿原稿はね、あえて読み返さないです。

理由はふたつ。

「もう散々読んだ」というのがひとつ。

もうひとつは今、誤植を見つけたら絶対に
立ち直れないダメージを食らうから。笑

――という次第で。

ジャスト2週間後の7月4日木曜日。

不登校インタビュー事例集
『雲の向こうはいつも青空』Vol.10、
発売開始予定です。

今、ちょうど10年前の
僕らのような気持ちを抱えている、
そんな人たちに数多く届きますように。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。