自分のための涙、心から温かいものを感じている姿

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早起きした日は「積ん読」の読書の日!

今年2月にしんゆり親の会 Our Placeさんの
「子育て教育悩み相談会」で
神戸大学の広木克行先生のお話を聞いた。

生き方が問われている

2020.02.10

過去、現在、将来。見ている時間軸が違う

2020.02.11

見えますか、子どものシグナル

素晴らしかったので、
すぐに広木先生の本は買っていたのだけど、
例によって読んでいなかった。

今朝、一気に読んだ。

具体的な事例も多く、広木先生の
温かな眼差しと人柄が文章に滲んでいる、
とっても良い本だった。

  • 学校に行かない権利もある
  • 学ぶと学習の違い
  • なぜヨーロッパには塾がないのか?
  • 早くできる子と、ゆっくりできる子がいるだけ
  • 子どもの数だけものさしを持つ
  • ヘルプを求める権利

そんな印象的なワードもたくさんあった。

「わたしを殺して!」と迫った不登校の子が
音楽教師になったエピソードも良かった。

ただ僕が、個人的に一番ハッとなったのは
「お母さんの涙」の一節だった。

魔法の言葉を教えてほしい

「百番以下は人間ではなく猿」

そう先生が堂々と広言する進学校に進んで
不登校になった男の子。

自室に閉じこもって、全く出なくなった。

お母さんは毎日、2階の息子の部屋の前に
おまると、着替えと、食事を置き続けた。

息子が引きこもってから、お母さんは
広木先生のカウンセリングを受け始めた。

毎回、目から涙がとめどなく溢れる。

でも、時々、カウンセラーであっても、やや冷静になっている自分がいるのです。わたしはそのお母さんが、カウンセリングに来ながら流すその涙が、自分のための涙だなあと、少し生意気ですが思いました。
人と顔をあわせることができないこの辛さ、この苦しさ。先生のひとことで子どもが早く元気になって学校に戻る、そんな魔法の言葉を教えて欲しい。そうすれば、この辛さから解放される。「助けて」という涙だと感じたのです。そして同時にわたしは、そのお母さんが流す涙を見ながら、心が深いところで揺れている尊い涙だと思いました。自分の苦しみのために流す涙ですが、また自分の子どものためを思って流す涙でもあって、そんな涙の尊さを思いながら、わたしはそのお母さんのカウンセリングを続けました。

自分のための涙。
助けてという涙。

これは、本当にそうだと思う。

そしてそう理解しながらも
「その涙の尊さ」を思う広木先生は
本当に素晴らしいなあ、と。

思って読んだ。

心から温かいものを感じている姿

3、4ヶ月経つと、お母さんの涙が
だいぶ乾いてきた。
心が大きく動いてきた。

そして半年経ったある日、、、

詳細はぜひ、実際に本を読んで頂きたい。

これはほんとうに、子どもの辛さを深く深く考えて、子どもがここにいてくれることの尊さを感じ、苦しさを乗り越えつつある子どもの姿に感謝し、心から温かいものを感じているお母さんの姿でした。

とても感じさせられるところが多かった。

生きていてくれる。存在してくれている。
そのありがたさ。その大切さ。

ついつい、順番が後になっちゃうけど、
一番大事なことだよね、と。

今日も、良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。