土曜の朝、松屋のカウンターで彼女は

土曜の朝、松屋のカウンターで彼女は
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背中を見ただけでも
眉間の暗さがわかるようなオーラだった。

僕の前で食券を買っていた女性のことだ。

案の定、振り返った時に見た
その60代くらいの彼女、
まるで悪魔に魂を乗っ取られた
樹木希林みたいだった。

昨日の朝の、松屋。

普段は朝からガッツリ炭水化物は取らない。
でも昨日はイベント出展で、もしかしたら
お昼が食べられないかも知れないと思った。

それでランニングの途中で松屋に寄った。
そこに彼女がいた。

ネガティブオーラが出ている人には
出来るだけ近づきたくない。

足が悪くて杖を使っている樹木希林。
彼女が座った席を確認して、
そこから出来るだけ離れた席に座った。

ところが!

セルフサービスの水を取りにきた希林、
あろうことか、なぜかそのまま
僕の隣の席に移動してきた。

まあ、逃げるわけにも行かないので、
その席で仕方なく食べていると、、、

「なにこれ?***じゃない?」
「ほんと***じゃん、ったく!」

かすかな声が低く隣から漏れ聞こえてくる。
横目で見ると、別に希林は誰かと
携帯で話している訳でもない。

独り言だった。

しかも絶妙に内容が聞こえない。

肝心のところがくぐもっていて
細部は不明なんだけど、

彼女が文句をつけているのは、
いま食べている鮭定食に向かって
ということだけはわかった。

もしかしたら――

今朝は、孫と一緒の朝食会が
ホテルニューオータニで
予定されてたのかもしれない。

ところがタイミング悪く、嫁が急に
盲腸で入院したせいでお流れになった。

結局、楽しい朝食会から一転、
駅前の松屋で独り
鮭定食を食べる羽目になった。

文句のひとつでも言いたい、
のかも知れない。

でもね、

たとえそういう事情があったとしても、だ。

ものを食べるときは、
命のありがたみを噛み締めて
美味しく食べたいものだと思う。

土曜の朝の松屋で独り、喉の奥から
虚空にモゴモゴ文句を放つのではなく。

一番いけないのは
お腹が空いていることと、一人でいること

とは、
映画「サマーウォーズ」の中の名言だった。

そこに

文句を言いながらものを食べること

も、付け加えたい気がした。
そんな朝だった。

どうか彼女の魂に平安が戻りますように。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。