みなさんもう飛び込みましたよ

沈没船のジョークのことはご存知ですか?

沈没しかけた豪華客船。
タイタニック号のイメージが近いだろうか。

乗客の数に対して
圧倒的にボートが足りない。

そこで乗り合わせた人たちに、
海に飛び込むよう船長が説得を行う。

アメリカ人には何と言うか?

「飛び込めばヒーローになれますよ」

イギリス人には?

「紳士はこういう時に飛び込むものです」

ドイツ人には?

「飛び込むのが規則です」

フランス人には?

「決して海には飛び込まないでください」

日本人には?

「みなさんもう飛び込みましたよ」

・・・・・・・・・・

よくできたジョークだと思う。

個人的にはこの中で一番好きなのは、
フランス人だな。笑

ところで、
なんでこれを思い出したか?

日曜日に走った静岡マラソン。

申し込んだ時には
自己ベストを狙おうと思っていた。
だから3時間20分くらいを
目標タイムにして申し込んだ。

スタートのブロック分けは
多分、申告タイム順だ。
僕はBブロックからのスタートだった。

でも3時間20分を狙える仕上がりでないのは
自分でもわかっていた。
なので目標は3時間29分に切り替えた。
1kmを5分で走るペースだ。

そのペースで愚直に走り出したのだけど
これがまあ!

抜かれるったらありゃしない!

最初の10kmくらいまで、
それこそ何百人という人達に追い抜かれた。
ずうっと5秒に一度は誰かに抜かれ続けた。

Bブロックのゼッケンは白なんだけど、
気がつけばCブロックのピンク色や
Dブロックのイエロー、はたまた
Eブロックのブルーで周りが満ちる。
白のゼッケンはどこにも見当たらない。

一応、補足なんだけど、1km5分は
息が切れるような速いペースじゃない。

でも42kmを走る場合には、
多くの人には結構なペースだと思う。

それで走っていて、全員に抜かれる。

そういう状況にあると、
さすがに不安になった。

俺、このペースで走っていて大丈夫か、と。

「みなさんもう飛び込みましたよー」

船長にそう言われている気がした。
冗談ではなく、実感として。

結果的には15kmくらいで、
抜かれることはなくなって、
20km過ぎくらいからはポツポツと
抜くことが増えてきた。

そりゃあそうだよね。
いくらなんでもみんな、飛ばしすぎだよ。
そう思って安心した。

そして、抜いていった人たちを徐々に
抜き返していく――という流れに
なるはずだったんだけど…

そうもうまく行かないのがマラソンで。

まあ、そんなこんなのレースでした。

教訓は?

うーん、そうだなあ…

「みなさんもう飛び込みましたよ」

の船長の声につられないこと。

かな?笑

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。