スマホ脳やゲーム依存って恐れるの、もういい加減やめにしませんか?

 

 

話題の新刊を読んだ。

ご存知スダチの小川社長が書いた本だ。

正確に言うと読んだのではない。
オーディブルの「聴き放題」
対象になっていたので
ランニングの時間に3日かけて聞いた。

感想?

ひと言で言えば、プレゼン慣れした
スマートな令和のビジネスマン。

ただし!
どうしても隠しきれない昭和の古い家族観。

と言ったところかな?

正直に言う。

言ってること全部が間違ってる訳じゃない。
そして一見、非常に物分かりもいい。

語り口はあくまでもソフトだ。

比喩も多くてわかりやすいし、
裏付けのデータもふんだんに出してくる。
論旨は明快で、非常にわかりやすい。

  • 結果ではなく、プロセス・努力に注目する
  • 「どうしてそう思うの?」という質問力を磨く
  • すべては良好な親子関係があってこそ

この辺りの主張は全くその通りだと思う。

あえてここだけを切り取って言うなら
純ちゃんも「賛成、意義なし!」だ。

要するにデジタル機器が全部悪い

ただし!
どうしても容認できないポイントはここだ。

「デジタル制限」っていう奴。

この本を読んで(聞いて)いて
めちゃくちゃ繰り返し、
何度も多用される言葉が3つあった。

  1. 毅然とした態度
  2. 親の覚悟
  3. やるべきことをやってないのに

という3つの言葉。

ル・ボンの『群衆心理』の
「断言・反復・感染」の見事な手本だ。

曰く――。

学校が悪い訳じゃない。
親の育て方が悪い訳じゃない。
子どもに問題がある訳じゃない。

「正しい親子関係」が築けない、
現代社会特有の問題から不登校は長引く。

要するにデジタル機器が全部悪い。

デジタル機器はヘロインと同じ麻薬だ。
だからスマホ脳になりデジタル依存に陥る。

不登校を解決するためには、
デジタル制限をする必要がある。

やるべきことをやってないのに、
やりたいことだけできる社会はないよね?

だから「やるべきこと」、つまり
「学校へ行ってない」間は
デジタルは一切・完全に禁止にする。

まず家庭で話し合ってそうルールを決める。

子どもの暴言・暴力も織り込み済み

とはいえ。

スマホとゲームとテレビまで
問答無用で取り上げる訳だから、
子どもはもちろん暴れる。

不登校の子にとってゲームは命綱だからね。

でもデジタル制限して考える時間があれば、
自分で自分の人生を考えるようになる。

そして自然と登校するようになるんだと。

この御仁はおっしゃる訳です。

だから大切なのは、
「毅然とした態度」と「親の覚悟」。

子どもからの暴言・暴力は
もちろん織り込み済みだ。

暴力がひどければ警察に通報してください。

自分の思う通りにならないからと言って
他人に暴力を振るえば、社会では
普通に犯罪ですよね?

(実際に警察に連れていった
親子の体験談も得意げに紹介する)

子どもが「死にたい」と言ってきたら?

愛情を持ってこう伝えてください。
「あなたを決して死なせはしない」

ただしルールを緩めては行けない。

ここは親の覚悟が大事です。
踏ん張りどころです。

やるべきことをやってないのだから――。

やるべきことができるようになるために、
親は子どもを1日10回誉めてください。

子どもの自己肯定感が高まって、
親子の信頼関係が整って、
自分で考える時間が増えれば
子どもは自然と学校に行くようになります。

無理矢理学校に戻す話じゃないんです。

というのがこの本の主張でした。

ふう。

あなたはどう思いますか?

親に本当に必要な覚悟は?

実際にこのやり方でうまく行くケースも
きっとあったりするのだろう。

でも僕はしみじみ思う。

子どもにこれをやることの弊害は、
計り知れないくらい
大きいんじゃないだろうかと。

子どもの人権の観点からも大いに問題だ。

特に何年も経ったあとにね。
親子関係、悪化しかしないよね。

そして我々親にもし、
「覚悟」が必要なのだとしたら。

「この子のため」を思って心を鬼にして
ゲームを取り上げることではなく。

たとえ全世界が敵になったとしても、だ。

「何があっても自分がこの子を守る」
と心に決めることじゃないだろうか?

たとえこのまま一生、
部屋にひきこもっていたとしても。

それでも構わないんだと腹をくくる。

自分が生きている限り、
全身全霊でこの子の味方であろうと。

そう固く心に決めること。
そっちの覚悟の方が真に
大切なんじゃないだろうか?

いや、厳しいこと言ってますよ。

「そうは言っても」
っていうこと言ってますよ。

でも僕はやっぱりそう思うし、
できればそうありたいと思って生きてる。

できてるかどうかは別にしてね。

よくわからないから怖がっている

最後にもう一つだけ、
声を大にして言いたいことがある。

スマホ脳やゲーム依存って恐れるの、
もういい加減やめにしませんか?

確かに我々昭和のファミコン世代には
今の子のゲーム事情はよくわからない。

よくわからないから怖い。

昼夜逆転で画面に向かって
「死ね」だの「うぜー」だの
暴言を吐いている我が子を見ると
ほとんど条件反射で恐怖が湧いてしまう。

これは不登校もまったくおんなじで。

学校に通わない人生を親は経験してないし、
よくわからないから怖いと思う。

でもよくわからないから怖い、
で道を誤ってはいけないと思う。

よくわからないなら、
よくわからないなりに
わかろうと努力すること。

まずはそこからなんじゃないかな?

ゲームであれば、
子どもにゲームの話を教えてもらう。

禁止するのではなく、関心を寄せる。

不登校であれば、
たくさんの事例を聞いて調べて回る。

あ、びーんずネットが発行している
インタビュー事例集が特におすすめです。

ぐはー!!!

朝っぱらからめちゃんこ長い
ブログ書いて疲れちゃった。

本当はもっといっぱい
ツッコミどころはあるけどね。

1日10回誉めれば高まる自己肯定感って
どんだけお手軽な自己肯定感?、とかさ。

でも僕はもう疲れたよ、パトラッシュ。

明日からはいつもの
オフビート純ちゃんに戻るよ!

今日も良い1日を。

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2 件のコメント

  • スダチ側の主張もちゃんと読んで、その上で批判するという金子さんの態度に敬服しました。スダチは、昔からあるような連れ出し型学校復帰ではありません。まっとうなことを言っている部分が多いのです。その上で、きっちり批判してくれた金子さん、ありがとう。

    • 古谷さん、嬉しいコメントをありがとうございます。
      胸が痛くなるようなところがとても多かったのですが、そう仰っていただけてがんばって読んだ(聞いた)甲斐がありました。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。