ボタンを押さないことがハッピーエンド

毎度ながら、ですが
今日も不登校とはまったく関係のない、
僕が好きな映画の紹介です。
悪しからず。笑

四半世紀前の映画のあの人に似てる…

昨日書いた映画『グリーンブック』で
主役のトニー・リップ役を務めた
ヴィゴ・モーテンセン。

観ているときからずっと思っていた。

彼はあんまりイタリア系っぽくないな、
っていうか1995年の映画
『クリムゾン・タイド』のウェッブス
(ミサイル発射暗号を知っている唯一の人物)
にそっくりだなあ、
彼が年を取って太ったらこんなだろうな、
それにしてもまあよく似ているなあ、

なんて思っていたんだけど、
調べてみたらなんと本人だった!

嬉しい!!

お気に入り映画の紹介

僕は好きな映画はDVDを買って
何度でも繰り返し見るタイプで、
『クリムゾン・タイド』はそうやって
繰り返し見るお気に入りの映画だ。

もう20回くらいは観ている気がする。笑

以下、あらすじ。

核兵器搭載の原子力潜水艦で二人の指揮官が対立したとき、全人類の運命が緊迫する――。

冷戦後の国際情勢は、ロシアの反乱軍が核ミサイルを奪取し、米国と日本を攻撃するとの脅迫で再び緊迫。この事態に核兵器を搭載した米の原子力潜水艦アラバマが緊急出動した。

艦長はたたき上げのラムジー大佐(ジーン・ハックマン)。副艦長は新任のエリート、ハンター少佐(デンゼル・ワシントン)。

目的海域に達したアラバマは本国からの指令受信中に魚雷の攻撃を受け、通信が途絶える。

指令の確認を優先する副艦長と即時攻撃を主張する艦長は激しく対立し、艦内は緊張が走る…。

核ミサイルの発射指令をめぐって起こる、原子力潜水艦内部の葛藤と混乱。現実に起こりうる”核”の恐怖を、臨場感溢れる映像で贈る話題の最高傑作!

(クリムゾン・タイドDVDより)

ネタバレであっても面白いと思うので

もう全部結末まで書くのだけど、、、

正式に発令された核ミサイル発射命令を、
即時実行すべきだという艦長。

そのあとに来た、敵との交戦中に
途絶えてしまった緊急通信を
確認するのが先決だという副長。

そんな中、再び敵潜水艦と遭遇、撃沈するも
艦は損傷を負い浸水、圧壊の危機に瀕する。

懸命の復旧作業と乗員の犠牲により
なんとか危機を脱するが、
今度は艦長派・副長派ともに
武器を手にして一触即発。

艦内の緊張がピークに達したそのとき、
通信が復旧し、途絶していた緊急通信が
再受信される。

その内容は果たして何なのか?

艦長(ジーン・ハックマン)が
副長(デンゼル・ワシントン)に尋ねる。

「君の誤りなら?」

デンゼルが答える。

「それなら戦争になる。神に祈りを」

通信が手順に従って厳重にチェックされる。
内容を確認したジーン・ハックマン。

艦内マイクをとり、
一瞬の躊躇の後、全員に告げる。

「乗組員に告ぐ。艦長だ。
警戒待機態勢をレベル2に。
ミサイル発射中止」

この瞬間、艦内ほぼ全員が
文字通り狂喜乱舞する。

核戦争は、世界の破滅は、
すんでのところで回避された。

抱き合って喜ぶ乗員たち。

若き日のヴィゴ・モーテンセン演じる
ウェッブスの背中も映る。

彼も小さく、でも力強く
ガッツポーズをしている。

それにしてもなぜこのシーンに感激するのか?

このシーン、何度見ても感激する。
この音楽がまた、いいんだなー。

それにしてもなぜ、こんなにこの結末に
カタルシスがあるのだろうか?
こんなにも嬉しい、
晴れやかな気分になるのだろう?

それは「ボタンを押さないこと」が
ハッピーエンドだからなのだと思う。

「核時代の真の敵、
それは戦争そのものです」

と言っていたのはデンゼル演じる
ハンター少佐だけど、
核ミサイルの時代にあっては
ボタンを押さない人間の理性こそが勝利だ。

通信が途絶した密室の潜水艦内、
繰り広げられてきた
心理劇からの開放感とあいまって、
このシーンはいつも胸に迫るものがある。

映画としてシンプルに面白い

本当はボタンを押さないことではなく
「持たないこと」が真のハッピーエンドだ。

でも少なくとも絶対にボタンを押さない。
最後の一線は超えない。

その人類の叡智を信じたい。
そして信じてもいいと思う。

そんな気持ちにもさせられるし、
それ以前に難しいこと抜きで
映画としてシンプルに面白い。

だから20回見ても飽きない。笑

よろしければ、ぜひ。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。