無駄を許さない空気

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山田くんは神童と呼ばれた。

勉強はオール5で、
スポーツも出来る生徒会長。
バレンタインでは女子から
たくさんのチョコをもらった。

中学受験にももちろん合格。
通っていた塾が
「君も山田くんみたいになれる!」
と町中にビラを配った。

ただ、山田くんの生活は中学二年生で
学校に行けなくなって、一変する。

部屋からまったく出られない日々。
高校受験も失敗。
人生が余ってしまった、と感じた。

ひきこもりが6年間続いた。

きっかけはテレビで成人式の
様子を見たことだった。

同級生が「大人」になっていく。
それなのに自分は、、、

そこから猛勉強して大検を取得。
ひきこもりを脱した。

髭男爵・山田ルイ53世さんの話だ。

「その6年間があったから、今の山田さんがあるんですよね?」「全ての時間が、あなたの糧となったんですよね?」などと美談でまとめられることが多いという山田だが、「あの6年間は、僕にとって無駄やった」(「読売新聞」19年8月23日)と断言する。
「無意味にはさせまいという世間の風潮が強すぎる。無駄を許さない空気感こそが、人を追いつめ、しんどくさせている」(同前)と。

おー!!!

これはガツンと来た。

あの日々があったからこそ今の自分がある。
全ての時間は無駄じゃない。糧になった。

そういう話にしたくなるじゃないですか?
普通は。

無駄だった、と言い切る。

そして一番ここにガツンと来たのだけど、

「無駄を許さない空気」

が人を追いつめしんどくさせている、と。

これは確かにそうだなあ、と思った。

何かどこかに「意味」を見出したい。
無意味だったと、どうしても思いたくない。

その心理は誰しも働きがちだと思う。

でももし、その心理が僕らを追い詰め、
息苦しくさせているのだとしたら、
どうだろうか?

「この自粛期間を有意義に過ごそうぜって言う人が、ちょっと多すぎるなって思う。無意味にボーッと過ごしてもいいんじゃないかって、思ってます」(山田ルイ53世/フジテレビ「ボクらの時代」5月3日放送)

僕はなかなかそこまでの悟りには至れない。

だけど、無意味にぼーっと過ごすことへの
罪悪感は、そう言われると少し和らぐかな?

万事、有意義じゃなくても
別にいいんだぜ、カネコくん!

今日も良い1日を。

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2 件のコメント

  • こんにちは。
    私も前にルイ53世さんのことブログに書いてました。
    世の中みんな頑張り過ぎですよね。
    頑張らない。肩ひじはらない。
    たまには…
    実はいつもだけど。
    自分も息子達のことも許します。

    • そうですね。
      「無駄を許さない空気」が人を追い詰め、しんどくさせている
      という言葉にハッとなった時点で、僕も「無駄」や「無意味」に
      けっこう囚われているなあ、とつくづく思いました。
      許すこと大事ですよね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。