心のケガは目に見えない

 

 

ときは第二次世界大戦中。

米軍は爆撃機の損傷を
最小限に抑えるために調査した。

戦場から帰還した機体の損傷箇所を
徹底的に調べ、可視化したのだ。

被弾箇所はどこが多かったか?

調べてみると主に爆撃機の
「胴体中央」と「翼」に集中して
弾痕が分布していることがわかった。

海軍分析センターの研究者は
損傷の多かったこれらの箇所の
装甲を厚くするべきだと主張した。

一見、まっとうに思える話だ。

ところが統計学者のウォールドが反対した。

まったく損傷を受けていない部分、

すなわちコックピット周辺と
エンジン部分をこそ補強するべきだと。

なぜか?

これらの分析はあくまでも
生還した機体の調査であって、
撃墜された未帰還機は
調査に含まれていないからだ。

生還機にはコックピットと
エンジンにはまったく損傷がない。

それは裏を返せば、その2つの箇所が
確実に致命傷になることを示している。

なるほどなあと。

これ、いわゆる「生存バイアス」
という話なのだけれども。

このエピソードで僕が思うのは、
話はズレるけどやっぱり不登校のことだ。

昼夜逆転のゲーム三昧。

勉強皆無。
風呂歯磨き散髪オールキャンセル。

親である僕らの「目に見えるもの」は、
子どもたちのそういうところだ。

帰還した爆撃機で言う、胴体と翼の部分。

だからそこを補強(矯正)したくなる。

早寝早起き朝ごはん。
デジタルデトックス。

ゲーム中毒・スマホ脳から子どもを守る!

――なんてね。

でも、大切なのはそこじゃない。

目に見えていない部分、つまり
コックピットとエンジンこそが
一番大事な箇所であって。

そこが損傷してしまうと生還できない。

そのことにもっと思いを致したほうがいい。

「心のケガは目に見えない」

というのは「とりあえずビール」での
蓑田雅之さんの名言だ。

もし、あなたのお子さんが学校で大ケガをして、血だらけになって帰ってきたとしたらどうしますか。傷口からだらだらと血が流れ、ぐったりしている子に向かって、「負けるな、がんばれ、学校に行きなさい」なんていうでしょうか。
いいませんよね。そして、あなたはたぶん真逆の対応をすると思います。
(『「とりあえずビール。」で、不登校を解決する』p.64)

ねえ。

心のケガは目に見えない。

まさに爆撃機のコックピットとエンジンだ。

なのでマイフレンド。

ゲーム中毒・スマホ脳から子どもを守る!

なんていう鼻息はどうか収めてほしい。

そんなことしたって、いいことなんて
一つも起こりません。断言します。

むしろ最悪のケースにだってなり得る。

「そうは言っても」
「頭ではわかるけど」
「じゃあどうすればいいの?」

というのもまた、
不登校の子を持つ親あるあるだ。

僕もそうだった。だからよくわかる。

さっきもちらっと紹介したけれども――。

蓑田雅之さんの本、
とってもわかりやすくて、
かつ論理的でおすすめです。

このブログを読んでくれているあなたなら、
まさかそんなことはないと思いますが、、、

もしまだ読んでいないのであれば、
まずはここから始めてください。

蓑田さんの「ワクチン」と「ビール」は
不登校界の教科書だと個人的に思ってます。

「大切なことは目には見えない」

そういえば、星の王子さまに
キツネもそう言ってましたね。

今日も良い一日を。

P.S.
11月の散歩会は川崎です。お申込み、お待ちしています。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在21歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。