朝7時。
扉は閉まっているのだけど、、、
受験生の部屋からは警報ばりに大音量で
けたたましい目覚まし音が響いている。
今日はどうやら入試の日のようだけど……。
意地でも起こしてあげたりなんかしない。笑
自分で起きろや。
さて。
新しい本の編集が大詰めだ。
昨日は3校を仕上げて送った。
そして息つく暇なく
次の新しい本の組版をした。
組版、ってたぶん専門用語だな。
えーっと、文字の大きさや書体、
余白を決めることです。
特に活字だけの本の場合、
これが地味ぃぃ〜〜〜〜に重要で。
別にどう組んでも読めるっちゃ読める。
読めるっちゃ読めるんだけど、
でもどれだけストレスなく読めるか?
それが僕らにはとても重要で。
書体は筑紫明朝。
文字サイズは14Q。
行送りは25H。
一行の文字数はあえて少なめの38字で、
1ページの行数も15行にする。
これで版面、つまり文字が組まれる箇所の
「面積」が決まる。
従って天の空きは26mmで小口は16mm。
あとノンブルの位置は――。
なんて具合に設定して行く。
細かいことを言うと、紙の白さも関係する。
白すぎると逆に目が疲れるのだ。
そしてこれらのこだわりは
ほとんど誰にも気づかれない。
だからこそ、でもある。
僕は・組版が・とても・好きだ。
ちなみにうちの奥さんのこだわりは校正だ。
このこだわりもまた、誰にも気づかれない。
欲しい、と表記するか。
ほしい、と表記するか。
そんなの普通はどっちでもいい。
そうですよね?
でもそういういちいちの
表記の仕方や統一にこだわる。
そうすることで、活字だらけの
見開きの宇宙でのストレスが
1ミリずつでも減っていくから。
それが鬼編集長のこだわりだ。
どちらも人に気づいてもらえない。
完全に黒子の役割だ。
でもね、それがいいじゃないですか?
だって主役は絶対に著者の話なんだから。
送り手としては、ただただ受け手の読者が
それを極力ストレスなく読めるようにする。
組版だの校正だのが目立っちゃいけない。
肝心の料理よりもお皿やカトラリーが
目立っちゃいけないのと同じ話だ。
でもお皿やカトラリーがしょぼいと、
見た目の美味しさも半減しちゃう。
そうですよね?
だから、こうして、たまには。
舞台裏というか、お皿やカトラリーのことを
ちょっと書いてみたくなったのでした。
今度あなたが本を読むときには――。
ちょっとだけでいいです、
書体や余白を意識してあげてください。
今日も良い1日を。
記事を読んで何か感じることがあれば、ぜひコメント欄にご意見やご感想をお寄せください。
更新の励みになります。バナーのクリックお願いします!
コメントを残す