ハエが怖い14歳

ハエが怖い14歳
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昨日の夜21:00。

BSプレミアムでNHKのドラマ
『お父さんと私の“シベリア抑留”
~「凍りの掌」が描く戦争~』を見た。

『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』
という本もそうだったけど、
シベリアで無念の死を遂げた人たちの話は、
本当に胸が張り裂ける思いがする。

そしてスマホを片手に横目でチラチラと
テレビを見ていた14歳中三男子。

「あ、そこで死ぬんだ」

なんて最初はクールに呟いていたけど、
見続けることができなくなったんだろう。

気がつけばリビングから
出て行ってしまっていた。

ゲームでは銃を乱射し、剣を振りかざして
血しぶきを全身に浴びている忍介。

子どもがゲームに熱中するのを心配する
親の心のひとつに、戦争や死に関して
良からぬ影響があるんじゃないか、
ということがあると思う。

感覚が麻痺してしまうんじゃないか、と。

僕にはそれがあった。

でも思うのだけど、
忍介は粋がってはいるけれど
本当に気の優しい男だ。

心が優しすぎて、
シベリアで無念の死を遂げた人たちを
正視することができない。

彼には受け止められないのだ。

ゲームでは散々、敵を殺戮しているけれど、
きっとそれはそれなのだ。

部屋にハエが入ってきそうになった時――。

忍介が言う。

「ハエが怖いんだよ。なぜって?
ゲームの中のモンスターは動きが読める。
予備動作があるから。

でもハエの動きは本当に読めない。
どう動くかまったくわからないから、
ホント怖いんだよ」と。

ゲームはゲームで、現実は現実。

なんだかんだ言っても14歳、
ハエが怖いのだ。笑

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。