もしそう変換できるなら、物事の見え方が少し違ってくる

 

 

 

えてして、悲劇の始まりは――。

実は割とシンプルなことなんじゃないか?

つまり「思い込み」から始まっている。

子どもは勉強するものだ。
子どもは学校に行くものだ。

そういう僕らの思い込みだ。

ダラダラしている。
ゲーム三昧。
要するに「やるべきことをやってない」。

だから学校に行かない我が子を見ると、
親の心は激しく波立つ。

自分は毎日会社に行って働いている。
しっかり家族を養い、税金を納めてる。
社会人として恥ずかしくない生活をしてる。

やるべきことをやってない。

それはやっぱり人として良くない。

このままじゃ社会性も身につかない。
経済的自立につながる道筋も見えない。

それを親として
指をくわえて見ていていいのか?
親としての責任を
果たしていないんじゃないか?

――という自問ループに至る。

これ、かつての僕の心の中を思い出して
書き出してみたものだけれども、
みなさん、大方
こんなところじゃないだろうか?

ということで話を戻す。

この自問ループの大元にあるのは、
さっきも書いた遠りこの思い込みだ。

子どもは勉強するものだ。
子どもは学校に行くものだ。

この前提が「ただの明治150年の呪い」、
だと言ったらあなたはどう思うだろうか?

この前提をまず疑ってみる。

子どもは自分で成長するものだ。
子どもは自分で選んで
好きなところへ行くものだ。

――もしそう変換できるなら。

物事の見え方が少し違ってくる。

ダラダラしている。
ゲーム三昧。
要するに「やるべきことをやってない」。

↓↓↓↓↓

リラックスしている。
思い切り楽しんでいる。
要するに「やりたいことをやりきってる」。

確かに若干の無理くり感もなくはない。笑

でもね、ゲーム三昧の自宅警備員でも。

思い切り丸ごとそれを認めるようになって、
僕ら親と息子の関係が
悪くなったことは一度もない。

「もう好きなだけやりなはれ」

これを10年続けた。

10年間。あっという間だったけど、
こうして書いてみると実に長い時間だ。

その間、やっと見つけた居場所だと思った
フリースクールもあっさりやめてしまった。

小3の秋以降、中学卒業まで見事に
ただの一度も登校しなかった。

中学3年の3月になってようやく
通信制高校に願書を出した。

コロナの間はガッツリひきこもった。
進路も決めずに高校を卒業した。

ブログの古い記事を読んでもらえばわかる。
僕ら夫婦はそんな息子を面白がったきた。

今は大学生になった。

言ってみれば世間的には
実に「わかりやすい落ち着き方」だ。

でも僕はそれを別に嬉しいとは思ってない。

僕が嬉しいと思っていること。

それは彼自身が自分で選んで
好きなところへ行って楽しんでいる、
というその事実だ。

親は一切口を出さなかった。

強制も誘導もほのめかしも何もしなかった。

期待もしなかった。ただただ今を楽しんだ。

もちろん、人によっては
アドバイスが生きる子もあると思う。
農薬がかえって効く子もいるだろう。

でも彼はそういうタイプじゃない。
自分で決めたいのだ。

だから徹頭徹尾、子どもとの関係では
僕らはオーガニック栽培に徹してきた。

勉強してみたい。
大学に行ってみたい。

その意欲が湧き出したこと。
そしてそれを自分で実行して達成したこと。

それを見たのが嬉しい。

とはいえ――。

こう言うと絶対に聞こえてくる
こんな声があるのも知っている。

「それは金子さんの息子さんの場合だから。
うちの子には大学なんてとても……」

はい、前半の金子家のケースだからは正解。

人によりけりで、共通の法則なんてない。

でもあえて厳しいことを言います。
後半の「うちの子に大学なんて」はダメです。

どうしてあなたが勝手に
無理だとジャッジするんですか?

それと、大学進学がゴールではないです。

就職することがゴールではないです。
結婚することがゴールでもないです。

「子どもの幸せな人生」こそがゴールです。

そう、終わりのない話なんです。

つまりゴールは永遠に少し先を
向こうへ遠ざかっていくんです。
進んでも進んでもずっと見え続ける。
馬の鼻面に下げられた人参のように。笑

親であるあなたがあなたの子どもを
応援しなくて一体誰が応援するんですか?

「うちの子には無理」

少なくともそんな「呪い」だけは
今すぐ手放しましょう。
よくないと思いますよ。本当に。

今日も良い1日を。

P.S.
とはいえ――。

頭ではわかる。でも気持ちが追いつかない――というのが親の本音だと思います。
わかります。それはそれで大切な葛藤だと思います。

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P.P.S
小説家の金原ひとみさんも不登校経験者とのことで取材記事が出てました。よろしければ。
(『雲の向こうはいつも青空』に出ていただけないかしら?笑)

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在20歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。