昨日の余熱をもう少し。
成長を求められない場所、
それが居場所だという話だ。
とても腑に落ちる話だった。
ただ誤解のないように補足すると、
成長自体を否定したい訳じゃない。
いつまでもダラダラ怠けていたって
人生万事OKと言いたい訳じゃない。
やるときはちゃんとやる。
その必要はやっぱりある。
問題は――。
本人が望んでいるのならともかく。
そうでない時にまで
成長を求められるとつらい、という話だ。
本人が望んでいるのであれば、
とことん応援すればいい。
でもそうじゃないときにまでも、
成長成長って求められてもつらい。
これ、まさに不登校と同じだよね。
本人が望んでいるのであれば、
学校行ってどんどん知識吸収して
友達と青春謳歌すればいい。
でもそうじゃないときにも。
「勉強遅れたら大変」
「今、頑張らないと将来困るよ」
「あなたのためだから」
みたいに、親や周りが勝手に
余計なおせっかいをしてしまう。
それで本人が根こそぎ疲れてしまう。
なんなら電源ごとシャットダウンしちゃう。
思うにそういう図が多すぎるんだよね。
今、学校に行けないこと。
今、勉強に手がつかないこと。
今、進路に気が向かないこと。
それを「すわ、一大事」と
親も周りも、なんなら本人も思ってしまう。
いや、わかるんですよ。
僕も一大事と思ったクチだから。
でもね、違うんだよ。
ここで一番大事なのは深呼吸なんだよ。
今、学校に行けないこと。
そのマイナスの影響って意外に、
少なくともあなたが悲観するほどには
大きくなかったりもする。
その情報をしっかり取ること。
それが大事なんだと本当に思う。
12年前、息子が小学3年生で
学校に行けなくなった2013年には。
本当にその情報がなかった。
唯一の光は田中茂樹先生の
『子どもを信じること』だった。
「この本の言う通りに信じてみよう」
ある意味、無理矢理そうやって
開き直るしかなかった。
本当に全然、身近に情報がなかった。
その2年後の2015年に棚園正一さんの
『学校へ行けない僕と9人の先生』
を読んで、初めて不登校の子どもの
リアルな気持ちを知った。
その3年後の2018年に
びーんずネットの活動を始めて。
大村竜夫さん、風芽美空さんを
ゲストに迎えてのセミナーをやって、
初めて身近に不登校経験者の話を聞いた。
「この場だけで終わっちゃもったいないな」
その思いから書籍化を思いついた。
そう、それが不登校インタビュー事例集
『雲の向こうはいつも青空』の出発点だ。
この事例集を作ること。
つまり、不登校を経験した人の
身近な体験談を聞いてまとめること。
それは僕ら自身のためでもあった。
今、学校に行けないこと。
その一見マイナスに見えるものは将来、
どう影響するのか? 影響しないのか?
それも著名な方の華々しい成功譚ではなく。
今もこうして市井に生きる身近な人の
リアルで等身大の不登校の経験談。
それを知って安心したかった。
それを知ることで勇気を感じたかった。
だから今もこの本を作り続けている。
って話が長くなった。
今、学校に行けないこと。
そのマイナスって意外に、
少なくともあなたが悲観するほどには
大きくなかったりする。
――と、知るために。
「何年間分かの深呼吸」をするために。
ぜひ読んでみてください。
本当にね、自分で言うのもナンですが。
市井に生きる身近な人の
リアルで等身大の不登校の経験談。
それは親の会やイベントなんかでも
ときどき聞けると思う。
でも想像してみてほしい。
それをまとめて7人分聞こうと思うと――。
そういう会を探して参加するのに
どれだけの時間と労力がかかるか、
よくよく考えてみてほしい。
どうですか?
「めっちゃ便利でお得だし、ありがたい」
と思いませんか?
(いや、本当に)
ブラボーだぜ、びーんずネット!笑
今日も良い1日を。
P.S.
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