あえてちょっとヒネたことを言うのですが。
マラソンってね、
「走るスポーツ」じゃないんです。
いや、走りますよ。しっかり。42km。
でもね、15年間、もう20回以上も
42kmという距離を走ってるとね、
しみじみ・つくづく思うんです。
マラソンってね、
「走るスポーツ」じゃないんです。
「じゃあ、どんなスポーツなの?」
いい質問です。
走る話じゃないと言うなら、
あんた一体なんなのさ?
「日常を律するゲーム」
だと僕は思っています。
「どういうことか?」
いや、走りますよ。しっかり。42km。
でもね、42kmという距離を
二本の脚で愚直に走ろうと思ったら――。
「3週間集中トレーニング」
なんぞで走り切れるものじゃございやせん。
いや、体力バリバリ陸上部出身、
種目は1万メートルで記録保持者!
みたいな20代のピンピンした若者だったら
もしかして3週間でも大丈夫かもしれない。
でもね、普通はまず無理です。
いや、はっきり言っちゃう。
絶対無理。むりムリ無理無理。
きっと30km過ぎたあたりで身も心も
粉々に打ち砕かれていることでしょう。
もし42kmを二本の脚で走り切るなら――。
最低でも3ヶ月は準備期間が必要です。
初心者ならできれば半年以上は備えたい。
まず、そういうスポーツなんです。
(言ってること、わかりますよね?)
さて、ここからが本題です。
「何ヶ月も準備するとはどういうことか?」
何ヶ月も準備する。単純な話それは――。
毎日例えば30分、走るということです。
もとい、言い換えます。
毎日例えば30分、しっかりと着実に
走る時間を自分の生活の中に確保する、
ということなんです。
毎日30分、走る時間を生活の中に確保する。
実際にやってみてもらえばわかると思う。
これが、一番難しい。
大事なことだからもっかい言っちゃう。
これが、一番難しい。
毎日走る時間を確保するのは本当に難しい。
忙しい。疲れてる。過労気味だ。
外は寒い。昨日飲み過ぎた。
今日は大事な会議があるから準備したい。
そうやって「今日走らない理由を作ること」
これが、人間という存在は魔術的に上手い。
マラソンを走るってつまるところ、
そういうことなんです。
要するに日常を律するゲームなんです。
そしてこれがまた、やればやっただけ
跳ね返ってくるゲームでもあるのです。
言い換えれば、やらなければ絶対に
跳ね返ってこないゲームでもある。
毎日走る時間をしっかり確保できた人
=めでたく楽しく完走
毎日走る時間を確保できたなかった人
=惨めな撃沈ゾンビの敗残兵
そういう話だったりする。
だから、中高年こそがハマる。
40代以上のおっさんおばさんがハマる。
なぜか?
誰しも人間、少し長く生きてれば
正当な努力が報われない、
まっとうな積み重ねが評価されない、
本当に理不尽なことだらけだ。
そうですよね?
でもマラソンは違う!
基本的に払った対価に見合うゲームだ。
つまり、自分の日常を律し続けて
数ヶ月生活したものには見事、栄冠が輝く。
短距離と違って、長距離ランナーには
特別な才能なんて1ミリも必要ない。
(少なくとも竹レベルの市民ランナーには)
才能は不要。努力あるのみ。
ただただ毎日、自分の生活の中に
走る時間をしっかり確保する。
そして愚直に毎日走る。
ただそれだけ。
だから僕もハマっている。
何度も言うけど「走るゲーム」じゃない。
42kmを華麗に走り切るのは最後の最後だ。
普段はもっともっと地味でつまんない。
とにかく愚直に日常を律し続ける。
そんな成熟した大人のためのゲームなのだ。
と、熱く演説をかましたところで、、、
見よ! 突然降りてきた。
何が?
もちろん「不登校が」ですよ。笑
子どもの不登校と共にあること。
これこそ「期待」という親の欲を
いかに律し続けるか、というゲームに
他ならないものじゃないだろうか?
「3週間集中特別コース」
そんなもんはない。
ありませんとも!(あってたまるか)
もっともっと年単位の長丁場なのだ。
まるでマラソンみたいに。
いかに毎日「期待しない」という
「穏やかな時間帯」を生活の中に
しっかり確保し続けていけるか。
ある意味これも
「日常を律するゲーム」なのだと。
そんなふうに視点を変えて捉えてみると、
なんだか少し面白いと思いませんか?
えっ?
面白いわけねーだろー、
ざけんじゃねーよって?
そりゃそうですよね。
一応僕も経験してるんで、わかります。
なので、ひとつ提案です。
「気分転換に毎日、少しでもいいので
走ってみませんか?」笑
10年以上の息子との不登校ライフ。
これもね、ランニングという一人の時間に
救われていることが僕は多かった。
確かに時間を捻出するのは難しい。
でも走る時間っていい時間でもあるんです。
ちょっとした瞑想タイムにもなる。
そして42kmという距離を走り切るとね、
見える景色ガラッと大きく変わりますよ。
計測不能の巨大な達成感と、
圧倒的な空前絶後の自信。
ビフォーアフターで言うなら、
それが得られます(本当です)。
文字通り、人生が変わります。
さあ、思い立ったが吉日。
今日にでもシューズ買いに行きませんか?
という、42kmの魔力に取り憑かれた、
ランニングジャンキーのたわごとでした。
今日も良い1日を。

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