実は今日が誕生日

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実は今日が誕生日だったりする。

「え、誰の誕生日?」

びーんずネットさんの、だ。

6年前の2018年3月16日金曜日。

川崎北税務署に
うちの奥さんが開業届を出した。

屋号は「びーんずネット」。

「開業届なんだから、せめて
税務署の人も受け取るときには
『おめでとうございます』
くらい言えばいいのにね」

とうちの奥さんと言い合ったのを覚えてる。

そして翌日に初めてのセミナーを開催した。
ゲストはもちろん、蓑田雅之さん。

タイトルはずばり、
『学校って本当に必要なの?』

蓑田さんがゲストだからこそ実現できた、
かなり刺激的で挑戦的な内容だ。

当日のセミナーレポが残っている↓

いやあ、懐かしいな。

ある意味このセミナーが僕の人生を変えた。

最初は正直に言って「ちょっと手伝う」
くらいのつもりでしかなかった。

うちの奥さんが始めた
びーんずネットの活動のことだ。

でもあの日、あの時、あの場所で――。

感じたみなさんの大変な熱気。
セミナーが終わったあとの晴れやかな顔。
尽きることのないたくさんの話。

噴出するその巨大なエネルギーを
目の当たりにして心底、思った。

不謹慎な言い方かもしれない。
でもあえて言う。

「不登校めっちゃ面白いじゃん」と。

たかが子どもが学校に行かない。

言ってしまえば、だ。
不登校なんて現象としては単純な話だ。

そうですよね?

でも実際に自分の子どもが
学校に行かなくなるとどうなるか?

やっぱり経験した人にしかわからない。
まあ、それはもう、大変な話で。

まず、しっちゃかめっちゃかになる。

そしていつも言うことだけど、結局親は
「自分を見つめ直す」羽目になる。

それが本当に面白いと思った。
本気でこれを仕事にしたいと思った。

でも、どうやって?

「いい質問です」

――と切り返す人は
大抵明確な答えを持っていない。笑

そこからインタビュー事例集を出すまでの
1年間は本当に迷走というか、五里霧中で。

セミナーのチラシを何とか置いてもらおうと
川崎市内の公共施設を片っ端から当たった。

見事にどこもかしこも散々に断られて、
秋の夕暮れ、惨めに肩を落として歩いた。

ただただ貯金を切り崩すだけの、
全くお金にならない暗黒の日々。

何の展望もない。もちろん未来も見えない。

でも「いつかなんとかなる」と信じた。

そうして活動を続けていく中で少しずつ、
いろんな方との繋がりもできてきた。

風芽美空さん、大村竜夫さん、
山田莉那さん、米澤美法さん、
竹内春雄さん、などなどなど。

のちに『雲の向こうはいつも青空』の
創刊号に出てくださった方々だ。

でももっとぶっちゃけて言うと――。

単純な話、楽しいから続けられた。

未来を悲観せずにいられたくらい、
びーんずネットの活動が楽しかったのだ。

いやー、不登校って面白いな。
本当にいろいろだな。実に奥深いな、と。

何が言いたいか?

いや、もう、すみません、
単にびーんずネット誕生日の
感慨に浸りたいだけでした。

ただ自分で言うのもナンだけど。

まったくお金にならなかった2018年。
いつかなんとかなる、ともがき続けた。

しかし、よくもまあ、まったくの丸裸、
ノープランで漕ぎ出したものだ。

単なるアホ、とも言う。笑

でも馬鹿でもアホでも必死で真剣にやれば
6年経つと少しは形になってくるもので。

昨日は新刊の発売日で、
たくさんの人が早速注文くださった。
(ありがとうございます)

タウンニュースで大変嬉しい紹介もされた。

2018年の純ちゃんに見せてやりたい。

おーい、大丈夫だぞ。死んでないぞ、と。
嬉しいつながりいっぱいできてるぞ、と。

ああ、こんなふうに書くと
じわっと涙がにじんじゃう。

ってとっちらかって収拾がつかないや……。

そういうときは?

気分のままに叫んでしまえ。

「ハッピーバースデー、びーんずネット!」

みなさん、本当にいつもありがとう。
愛してます。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。