日曜午後のベランダビール

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デビューして間もない村上春樹と
村上龍の対談をまとめた本がある。

『ウォーク・ドント・ラン
村上龍VS村上春樹』という本だ。

今やかなり貴重な本だと思う。

まだ村上春樹がジャズバーをやりながら
「1973年のピンボール」を書いた頃で、
二人ともなかなかに突っ張ってて面白い。

この対談本の中で僕が一番好きな部分は、
村上龍が原稿を書きながら自分で
感動を抑えられなくなる、という話だ。

「いい、いい」と自分で自分に言って、
泣きながら原稿を書くのだという。

例えば『限りなく透明に近いブルー』
の素晴らしいラストの朝のシーン。

「あの朝」が書きたかった。
だからこの小説を書いた。

でも「あの朝」を書くためにはその前に
苦しい「錯乱」を書かなければいけない。

だからその四、五枚書くためにさ、すごく苦しい二十何枚も書く、錯乱の描写を、思い出しながら。ようし、もういいだろうと思って書くと、本当に泣けちゃうの、書きながら。ほんと、自分でいいますよ、がまん、がまんと。原稿用紙のこっち側のさ、白い紙に「がまん」と書いたりする。

これ、本当におかしくて。

村上龍をテレビで見るたびに、
うちの奥さんとこれをネタにしている。
(本当に正直な人だなあと思う)

ネタにしているのだけど、、、

今、絶賛編集作業中の
不登校インタビュー事例集
『雲の向こうはいつも青空』Vol.5。

昨日は午前中で切り上げて、
午後はベランダでビールを飲んだ。

サカナは何かと言うと、
編集が済んだ第1校の原稿だ。

何度も繰り返し、繰り返し
読んでは一人、悦に入る。

悦に入りながら、ふと思った。

コレ、まったくもって
いい、いい、って自分で言ってる
村上龍と同じ図じゃんね、と。

ぜんぜん人のこと笑えない。笑

……はい、それだけです。

今日もがんばるぞ!

良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。